漢方生薬の煎じ方

漢方生薬の保管と服用についての注意事項

処方された漢方生薬は、涼しい場所に保管し、夏季には冷蔵庫での保管をおすすめします。また、長期保管せず、できるだけ早めに服用してください。

1袋分(1日分)を煎じたものは、冷蔵庫に保管し、1~2日以内に服用してください。数日分(数袋)をまとめて煎じると、後で服用する分が傷んでしまう可能性があるため、まとめての煎じは推奨しておりません

常に新鮮な状態で服用することで、漢方の効果を最大限に引き出すことができます。

漢方生薬を煎じる際の容器について

漢方生薬を煎じる際には、以下のような容器をご準備ください:

  • 土瓶
  • ステンレス製のやかんや鍋
  • ホーロー製のやかんや鍋
  • 耐熱性ガラス製の容器
  • 自動煎じ器

これらの容器は、生薬の成分を損なうことなく安全に煎じるために適しています。素材に応じた適切な容器を選び、漢方の効果をしっかりと引き出しましょう。

一、漢方生薬の煎じ方

  • 1

    煎じ容器に生薬と水を入れる

    煎じ容器に**1日分の煎じ薬(1袋分)**を入れ、お水約600mlを加えます。お水は水道水を使用し、イオン水や硬水は避けてください。

  • 2

    とろ火で煎じる

    最初からとろ火(10〜15分くらいで沸騰する火加減)にして煎じます。約40〜50分かけて煎じ、お水が半分の300ml程度になるまで火にかけます。
    ※時間よりも、とろ火でじっくり煎じ、水が半分になることを目安にしてください。

  • 3

    蓋を外して煎じる

    煎じる際には蓋を外す、またはずらすようにしてください。これにより吹きこぼれを防ぐことができます。

  • 安全に注意

    火の取り扱いや火傷には十分ご注意ください。特に煎じ中は目を離さないようにしてください。

二、煎じた後の処理方法と注意事項

  • 1

    煎じ終わったらすぐに火から降ろす

    煎じ終わったら、熱いうちに火から降ろし、蓋をして滓(かす)を濾(こ)してください。

  • 2

    滓の濾し方

    茶こしやガーゼを使って滓を濾します。 煎じ薬が袋に入っている場合は、そのまま他の容器に注ぐことで滓を濾すことができます。

  • 3

    冷たくなる前に処理する

    煎じ薬が冷たくなり、滓がふやけるとお薬の成分が滓に吸収されてしまうことがあります。そのため、煎じた直後に処理することをおすすめします。

三、煎じ薬の完成と保管方法

  • 煎じ薬の完成

    煎じて滓を濾した液体が、1日分のお薬(煎じ薬)となります。

  • 膠飴や阿膠の使用

    飴(あめ)や阿膠(ゼラチン)が処方されている場合は、滓を濾した後の煎じ液が熱いうちにそれぞれを溶かし入れてください。

  • 保管方法

    煎じ薬は1日分ずつ煎じてください。 煎じた後は冷蔵庫で保管し、1〜2日以内に服用してください。

四、服用方法

  • 服用回数とタイミング

    1日分のお薬を2回または3回に分けて、食間(食後2時間〜食前30分前)に服用してください。

  • 服用時の温め方

    服用する際は、電子レンジまたは軽く火にかけて、人肌程度に温めてください。 また、熱湯を加えて温めることも可能です。

  • 複数回に分けて服用する場合や、具体的な時間・温度については、医師または薬剤師の指示を優先してください。

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